ヨーロッパ州/アイスランド国歌「賛美歌」 のバックアップ(No.7)


アイスランド国歌
Lofsöngur
賛美歌
別名:Ó Guð vors lands(嗚呼、我が祖国の神よ)
 
 

歌詞全文

 
Ó, guð vors lands! Ó, lands vors guð!
Vér lofum þitt heilaga, heilaga nafn!
Úr sólkerfum himnanna hnýta þér krans
þínir herskarar, tímanna safn.
Fyrir þér er einn dagur sem þúsund ár
og þúsund ár dagur, ei meir:
eitt eilífðar smáblóm með titrandi tár,
sem tilbiður guð sinn og deyr.
Íslands þúsund ár,
Íslands þúsund ár,
eitt eilífðar smáblóm með titrandi tár,
sem tilbiður guð sinn og deyr.
嗚呼、我らが祖国の神よ、我らが神の国よ
我ら汝の聖なる、聖なる名を讃えん
天の太陽系が汝の冠、
永き時が汝の軍隊
汝の前では一日が千年も同じ、
そしてその千年も一日に過ぎず
神の名を讃え、命尽きるは
涙に震えし、永遠なる小さき花
アイスランドの千年、
アイスランドの千年!
神の名を讃え、命尽きるは
涙に震えし、永遠なる小さき花
+  2、3番
Ó guð, ó guð! Vér föllum fram
og fórnum þér brennandi, brennandi sál,
guð faðir, vor drottinn frá kyni til kyns,
og vér kvökum vort helgasta mál.
Vér kvökum og þökkum í þúsund ár,
því þú ert vort einasta skjól.
Vér kvökum og þökkum
með titrandi tár,
því þú tilbjóst vort forlagahjól.
Íslands þúsund ár,
Íslands þúsund ár!
Voru morgunsins húmköldu,
hrynjandi tár,
sem hitna við skínandi sól.
神よ、ああ神よ、我らはひれ伏す
そして燃える魂を汝に捧げる
父なる神、世から世へと我らの主たる方よ
我らは最も神聖なる言葉を口にする
口にして、そして千年に感謝する
汝が唯一の守りであるゆえに
我らはその言葉を口にし
震える涙とともに感謝する
汝は我らの運命の車輪を作った
アイスランドの千年
アイスランドの千年
それは朝の霜
散ってゆく涙
輝く太陽に緩みほころぶ霜である
Ó, guð vors lands! Ó, lands vors guð!
Vér lifum sem blaktandi, blaktandi strá.
Vér deyjum, ef þú ert ei ljós það og líf,
sem að lyftir oss duftinu frá.
Ó, vert þú hvern morgun vort ljúfasta líf,
vor leiðtogi í daganna þraut
og á kvöldin vor himneska hvíld og vor hlíf
og vor hertogi á þjóðlífsins braut.
Íslands þúsund ár,
Íslands þúsund ár!
verði gróandi þjóðlíf
með þverrandi tár,
sem þroskast á guðsríkis braut.
嗚呼、我が祖国の神よ、我らの神の国よ!
我らは漂う藁のごとく生き
汝が光でなければ、命でなければ我らは死ぬ
我らを塵からすくい上げる光でなければ
汝は朝となれば、我らの甘美なる命であり
そして試練の日々における我らの導き手である
夕べには我らの天上の憩いにして守り
そして民の暮らす道においては指揮官である
アイスランドの千年
アイスランドの千年
流される涙が減り
栄えゆく人々の暮らしとならんことを
神の国の道において進歩する暮らしに

歌詞逐語訳

 
Ó,guðvorslands!Ó,landsvorsguð!
オゥクヴューズヴォルスランスオゥランスヴォルスクヴューズ
嗚呼神よ我が地の嗚呼地よ我が神の
嗚呼、我が祖国の神よ、我らの神の国よ!
 
Vérlofumþittheilaga,heilaganafn!
ヴィエールローヴュムスィットヘイラガヘイラガナプン
我ら賛美する汝の聖なる聖なる
我ら、汝の聖なる名を賛美す
 
Úrsólkerfumhimnannahnýtaþérkrans
ウールソウルチェルヴュムヒムナンナ(フ)ニータ*1スィエルクランス
~で太陽系天空の結んだ汝の
汝の冠は天の太陽系にて作られ
 
þínirherskarar,tímannasafn.
スィーニルヘルスカラルティーマナサプン
汝の軍勢時の集めたもの
時間が汝の軍勢
 
Fyrirþérereinndagursemþúsundár
フィーリルスィエルエールエイトゥンターギュルセームスースュントアウール
~の前で~である一つの~のようだ*2千の
汝の前では、一日が千年であり
 
ogþúsundárdagur,eimeir:
オグスースュントアウールターギュルエイメイール
そして千の年が一日~ではないそれ以上
そして千年も、一日に過ぎない
 
eitteilífðarsmáblómmeðtitranditár,
エイットエイーリヴダルスマウブロウムメズティートランティタウール
不定冠詞永遠小さな花~と共に震える
涙に震える、永遠なる小さき花
 
semtilbiðurguðsinnogdeyr.
セームティルピズュルクヴューズスィンオグテイール
関係代名詞讃える神を自らのそして死ぬ
自らの神を讃えて命尽きる
 
Íslandsþúsundár,
イストランススースュントアウール
アイスランドの
アイスランドの千年
 
Íslandsþúsundár,
イストランススースュントアウール
アイスランドの
アイスランドの千年
 
eitteilífðarsmáblómmeðtitranditár,
エイットエイーリヴダルスマウブロウムメズティートランティタウール
不定冠詞永遠小さな花~と共に震える
涙に震える、永遠なる小さき花
 
semtilbiðurguðsinnogdeyr.
セームティルピズュルクヴューズスィンオグテイール
関係代名詞讃える神を自らのそして死ぬ
自らの神を讃えて命尽きる
 
+  2、3番

2.

Óguð,óguð!Vérföllumfram
オゥクヴューズオゥクヴューズヴィエールフェトルムフラム
ああ神よああ神よ我らは倒れる前に
神よ、ああ神よ、我らはひれ伏す
 
ogfórnumþérbrennandi,brennandisál,
オグフォゥルトヌムスィエールプレンナンティプレンナンティサゥル
そして我ら捧げる汝に燃え上がる燃え上がる
そして燃える魂を汝に捧げる
 
guðfaðir,vordrottinnfrákynitilkyns,
クヴューズファズィルヴォールトロッティンフラゥチーニティルチンス
我らの~から世代~へ世代
父なる神よ、世代から世代へと我らの主たる方よ
 
ogvérkvökumvorthelgastamál.
オグヴィエールクヴェークュムヴォルトヘルガスタマゥル
そして我らはさえずる我らの最も神聖な言葉
我らは最も神聖なる言葉を口にする
 
Vérkvökumogþökkumíþúsundár,
ヴィエールクヴェークュムオグセフクュムイースースュントアゥル
我らはさえずりそして感謝する1000の
口にして、そして千年に感謝する
 
þvíþúertvorteinastaskjól.
スヴィースーエルトヴォルトエイーナスタスコゥル
なぜなら汝は~だ我らの唯一の守り
汝が唯一の守りであるゆえに
 
Vérkvökumogþökkummeðtitranditár,
ヴィエールクヴェークュムオグセーフクュムメズティトランティタゥル
我らはさえずるそして感謝する~と共に震える
我らはその言葉を口にし、震える涙とともに感謝する
 
þvíþútilbjóstvortforlagahjól.
スヴィースーティルピョゥストヴォルトフォルラガヒョゥル
何故なら汝は作った*3我らの運命の車輪
汝は我らの運命の車輪を作った
 
Íslandsþúsundár,
イストランススースュントアウール
アイスランドの
アイスランドの千年
 
Íslandsþúsundár,
イストランススースュントアウール
アイスランドの
アイスランドの千年
 
Vorumorgunsinshúmköldu,hrynjanditár,
ヴォーリュモルクュンスィンスフームケルテュリニャンティ*4タゥル
それらは~だったその朝の明け方の霜に散る、崩れる
それは朝の霜、散ってゆく涙
 
semhitnaviðskínandisól.
セムヒ(フ)トナヴィズスチナンティソゥル
関係代名詞(それらは)暖まる~で輝く太陽
輝く太陽に緩みほころぶ
 

3.

Ó,guðvorslands!Ó,landsvorsguð!
オゥクヴューズヴォルスランスオゥランスヴォルスクヴューズ
嗚呼神よ我が地の嗚呼地よ我が神の
嗚呼、我が祖国の神よ、我らの神の国よ!
 
Vérlifumsemblaktandi,blaktandistrá.
ヴィエールリーヴュムセムプラハタンティプラハタンティストラゥ
我らは生きる~のように漂う漂う
我らは漂う藁のごとく生き
 
Vérdeyjum,efþúerteiljósþaðoglíf,
ヴィエールテイユムエヴスーエルトエイリョゥスサゾグリーフ
我らは死ぬもし汝が~である~ないかのそして
汝が光でなければ、命でなければ我らは死ぬ
 
semlyftirossduftinufrá.
セマズリフティルオッスデュフティヌュフラゥ
~のように関係代名詞上げる我らを塵に~から
我らを塵からすくい上げる光でなければ
 
Ó,vertþúhvernmorgunvortljúfastalíf,
オゥヴェルトスークヴェル(トゥ)ンモルグュンヴォルトリューヴァスタリーフ
嗚呼値する汝はすべての我らの最も甘美な命、人生
汝はすべての朝、我らの甘美なる命である
 
vorleiðtogiídagannaþraut
ヴォルレイズトーイーターガナスレゥト
我らのリーダー、指導者~において日々試練
試練の日々における我らの導き手
 
ogákvöldinvorhimneskahvíldogvorhlíf
オグアゥクヴェールティンヴォルヒムネスカクヴィルトオグヴォルリーフ*5
そして~に夕べ我らの天上の、天国の憩い、休息そして我らの守り
夕べには我らの天上の憩いにして守り
 
ogvorhertogiáþjóðlífsinsbraut.
オグヴォルヘルトーイアゥスィオウズリフスィンスプレゥト
そして我らの指揮官~において人々の生活、人生
そして民の生きる道においては指揮官である
 
Íslandsþúsundár,
イストランススースュントアウール
アイスランドの
アイスランドの千年
 
Íslandsþúsundár,
イストランススースュントアウール
アイスランドの
アイスランドの千年
 
verðigróandiþjóðlífmeðþverranditár,
ヴェルズィクロゥアンティスィオウズリーフメズスヴェランティタゥル
~にならんことを育ちゆく人々の生活~とともに減ってゆく
流される涙が減り、栄えゆく人々の暮らしとならんことを
 
semþroskastáguðsríkisbraut.
セムスロスカストアゥクヴューズリチスプレゥト
関係代名詞進歩する~に神の国の
神の国の道において進歩する暮らしに
 

特記事項

  • 原詩は3節まであるが、最初の1節のみが歌われる。音域的にも技巧的にも、そして言語的にも歌うのがキツい曲。
  • 教会離れが進むアイスランド人にとっては神様バンザイすぎるこの歌詞も批判があるらしい。
  • なんといってもその言語の独特さがすごい。絶海の孤島というロケーションのおかげでアイスランド語は古代の形をかなり保っていることで有名。
  • その古めかしさは、千年前の文学が現代人でも割とスルッと読めてしまうほど。日本人は千年前の日本語を読むのにこんなに苦労しているのにだ。
  • 英語・ドイツ語などと同じゲルマン語派に属すため、そんな古めかしい中にも英語やドイツ語に似た形の語彙が出てくるのが素敵。
  • guð「神」、tími「時」(<tímanna 時の)、þúsund「1000」、ár「年」、tár「涙」
  • heilaga「聖なる」(ドイツ語:Heilige)、himmin「空」(ドイツ語:Himmel)、dagur「日」(ドイツ語:Tag、英語:day)、titra「震える」(<titrandi)(ドイツ語:zittern)




*1 nが無声音になる。難しい。
*2 sem は英語の same と由来が一緒ですよ
*3 bjóst til で「作る」らしいんだけど…
*4 hr- は無声音のr
*5 hlは無声音のl