ヨーロッパ州/ラトヴィア国歌「神よ、ラトヴィアを祝福せよ」 の変更点

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CENTER:&size(24){ラトヴィア国歌};&br;&br;

CENTER:&size(24){Dievs, svētī Latviju};&br;&br;

CENTER:&size(20){神よ、ラトビアを祝福し給え};&br;&br;
#netvideos("Pnj1nVHpGB4,,,center)
#netvideos("HPPEIHKaB6Q,,,center)
CENTER:ソロ版。
#netvideos("PU4RW2a2nK0,,,center)
CENTER:合唱版。合唱の国としてはこれは捨てがたい

*歌詞全文 [#m2bcc021]
|Dievs, svētī Latviju,&br;Mūs' dārgo tēviju,&br;Svētī jel Latviju,&br;Ak, svētī jel to!|神よ、ラトヴィアを祝福し給え&br;我々の愛しき祖国を&br;ラトヴィアを祝福し給え&br;嗚呼、祝福し給え|
|Kur latvju meitas zied,&br;Kur latvju dēli dzied,&br;Laid mums tur laimē diet,&br;Mūs' Latvijā!|ラトヴィアの娘らが花咲く処で&br;ラトヴィアの息子らが歌う処で&br;幸福な処で我らは踊ろう&br;我々のラトヴィアで|

*歌詞逐語訳 [#x84f3a5e]
|Dievs,|svētī|Latviju,|
|ディエウス|スヴェーティー|ラトヴィユ|
|神(は)|祝福せよ|ラトヴィアを|
|>|>|神よ((Dievsは主格だが、翻訳の慣用に従う))、ラトヴィアを祝福し給え|
#br
|Mūs'((本来 Mūsu だが、韻律の都合により母音脱落(アポストロフィが脱落箇所を示す)))|dārgo|tēviju,|
|ムース|ダールグオ|テーヴィユ|
|我々の|(その)愛しき((dārgoは形容詞限定形(英語でいう冠詞付き)))|祖国を|
|>|>|我々の愛しき祖国を|
#br
|Svētī|jel|Latviju,|
|スヴェーティー|イェル|ラトヴィユ|
|祝福せよ|(強意)((命令であることを示す副詞))|ラトヴィアを|
|>|>|ラトヴィアを祝福し給え|
#br
|Ak,|svētī|jel|to!|
|アク|スヴェーティー|イェル|トゥオ|
|嗚呼|祝福せよ|(強意)|それを|
|>|>|>|嗚呼、祝福し給え|
#br
|Kur|latvju|meitas|zied,|
|クル|ラトヴュ|メイタス|ズィエド|
|どこ((kurは疑問詞だが、関係代名詞としても使われる))|ラトヴィア(の民)の((latvju(主格:latvis)は民族名なので「ラトヴィア人の」))|娘らが|咲く|
|>|>|>|ラトヴィアの娘らが花咲く処で|
#br
|Kur|latvju|dēli|dzied,|
|クル|ラトヴュ|デーリ|ヅィエド|
|どこ|ラトヴィア(の民)の|息子らが|歌う|
|>|>|>|ラトヴィアの息子らが歌う処で|
#br
|Laid|mums|tur|laimē|diet,|
|ライド|ムムス|トゥル|ライメー|ディエト|
|させよ|我々に|そこで|幸せ(なところで)|踊ることを|
|>|>|>|>|幸福な処で我らは踊ろう((この行は))|
#br
|Mūs'|Latvijā!|
|ムース|ラトヴィヤー|
|我々の|ラトヴィアで|
|>|我々のラトヴィアで|

*特記事項 [#db3021f5]
-四行でひとまとまりであり、前半も後半もそれぞれ二回ずつ繰り返す。
-作詞・作曲はカールリス・バウマニス(1835-1905)。ヴィゼメ地方(ラトビア北部)リムバジ市出身の作曲家・教師・ジャーナリストであった。リーガラトビア協会の議長と歌唱委員会の委員に選ばれ、第一回民族歌謡祭の準備に大きく参画した。
-国民性の根幹を成す合唱文化と総勢26万首の圧倒的な民謡文化の厚みが、また、様々な国や民族による被支配の長い歴史が、穏やかに、真っ直ぐに平和を歌うこの曲に深みを与える。


%%%言語的解説%%%
-印欧語族のバルト語派に属し、リトアニア語と並んでヨーロッパで最も古風な言語である。
-リトアニア語と比べると、エストニア語やリヴォニア語などのバルト・フィン諸語の影響を受けており、たとえば「伝聞法」(「~らしい」等を表す)という文法事項が新しく生えていたりする。
-ダイナ(Daina 「ラトビア民謡」とも)と呼ばれる固有の韻律で書かれた四行詩が(異同等を全て含め)約26万首存在し、これが日本でいう万葉集の役割を果たしている。
-長音記号(マクロン)がこの言語の特色であり、アイデンティティの一部にもなっているようで、歌にも歌われるほどである。本稿もカナ転写では曲の拍に関係なく長母音と短母音を区別した。
-eの発音に二種類(広:/ɛ/, 狭:/e/)あるのがもう一つの音韻上の大きな特徴で、日本語話者の感覚だと広い方のeは「ア」に聞こえることがある。
-「ラトビア」、「ラトヴィア」などと表記されるが、原語に一番近いのは「ラトヴィヤ」である。

*謝辞 [#n1384c87]

本稿は髙浦啓樹さん([[@H_Tacaurus>>https://twitter.com/H_Tacaurus]])にお寄せいただきました。Paldies!(ありがとうございます!)

高浦さんには[[リトアニア>ヨーロッパ/リトアニア国歌「リトアニア、我らの愛しき祖国」]]も書いて頂いてます。重ねてありがとうございます!