ヨーロッパ州/フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」 のバックアップ(No.9)
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La Marseillaise
マルセイユの歌
別名:ラ・マルセイエーズ
国民的シャンソン歌手、エディット・ピアフによる歌唱
全曲通しての演奏。
歌詞全文
1. Allons enfants de la Patrie, Le jour de gloire est arrivé! Contre nous de la tyrannie L'étendard sanglant est levé, L'étendard sanglant est levé, Entendez-vous dans les campagnes Mugir ces féroces soldats? Ils viennent jusque dans nos bras Égorger nos fils, nos compagnes! | 1. いざ、祖国の子らよ! 栄光の日は来た! 我らに対して暴君の 血染めの旗が掲げられた 血染めの旗が掲げられた 聞こえるか、野に響く 残忍な兵たちの咆哮が 奴らは我々のもとへ来て 妻子の喉を掻き切らんとしている! |
(Refrain) Aux armes, citoyens, Formez vos bataillons, Marchons, marchons! Qu'un sang impur Abreuve nos sillons! | (繰り返し) 武器を取れ、市民よ! 隊伍を組め! 進め、進め! 穢れた血が 我らの畑を潤すまで! |
2番以降 |
|
歌詞逐語訳
Le | jour | de | gloire | est | arrivé! |
ル | ジュール | ドゥ | グロワール | エ | タリヴェ |
定冠詞 | 日 | ~の | 栄光 | 来た、訪れた | |
栄光の日は来た! |
Contre | nous | de | la | tyrannie |
コントル | ヌ | ドゥ | ラ | テュラニーゥ |
~に対して | 我々 | ~の | 定冠詞 | 暴君 |
我らに対して暴君の |
L' | étendard | sanglant | est | levé, |
レタンダール | サングラン | テ | ルヴェ | |
定冠詞 | 旗 | 血に染まった | 掲げられた | |
血染めの旗が掲げられた |
L' | étendard | sanglant | est | levé, |
レタンダール | サングラン | テ | ルヴェ | |
定冠詞 | 旗 | 血に染まった | 掲げられた | |
血染めの旗が掲げられた |
Mugir | ces | féroces | soldats? |
ミュージール | セ | フェロース | ソルダー |
叫ぶこと | それらの | 残忍な | 兵たちが |
残忍な兵たちの咆哮が |
Ils | viennent | jusque | dans | nos | bras |
イル | ヴィエンヌ | ジュスク | ダン | ノ | ブラー |
彼らは | 来る | ~まで | ~の中 | 我々の | 腕*6 |
奴らは我々のもとへ来て |
Aux | armes, | citoyens, |
オ | ザールメ | スィトワイェン |
~と共に+定冠詞 | 武器 | 市民よ |
武器を取れ、市民よ |
Formez | vos | bataillons, |
フォルメ | ヴォ | バタヨン |
形作る | あなた達の | 隊列*10 |
隊伍を組め! |
Abreuve | nos | sillons! |
アプルーヴ | ノ | スィヨン |
潤す | 我らの | 畝*15 |
我らの畝を潤さんことを! |
2番以降の歌詞は折りたたんでいます (しかも未完成です) |
3.
4.
5.
6.
7. (後から追加された節で、「子供の詩(Couplet des enfants)」とも呼ばれる
|
特記事項
特記事項
- フランスの象徴にして革命の象徴。愛され方、用いられ方、歌詞のノリ、歴史的経緯など、「まさに国歌」というべき存在。
- 実際、この曲に影響された新興国の国歌も少なくない。コートジボワールの「ラビジャニーズ(アビジャンの歌)」とか。
- 「敵兵の血で畑の畝を潤す」とか「奴らは我らの妻子の喉を掻き切りにくる」とか、血生臭い歌詞は幾度も論争を呼んでいる。
- 特に式典などで小さな子供に歌わせたときにそうなりやすいようだが、恐らくフランス人は今後もこの歌を歌うのをやめないだろう。
- あまりに有名なため、他の楽曲中でフランスの象徴としてメロディを引用されがち。
- 「大砲を使うクラシック曲」として有名なチャイコフスキーの『序曲《1812年》』では、最初は堂々と演奏されるこのメロディがだんだん弱弱しくなることでフランス軍の敗走を示している。
- 7番まで存在するが、フル歌唱は稀。歌われる場合は1番・6番・7番を歌うのが通例。
- 7番は後から付け足された節で、「子供の歌」という表題が示すように子供視点である。ここだけ児童合唱で歌われるケースも。
- 非常に詳しく解説されているフランス語教室のページがある。これ以上の解説が出来る気がしないので詳細はそちらに譲る。
→北鎌フランス語講座 - 読解編 内「ラ・マルセイエーズ」 - 上記サイト内にもあるが、通常のフランス語とは異なり "Patrie" "contre" などの語末の e は [ə]で発音する。
*1 proruira 「生み出すだろう」と未来形をとる版もある
*2 本来発音しない語末のeだが、歌では[ə]で発音される
*3 文字通りには「行こう!」だが、間投詞的に「いざ」の意味でも用いられる。
*4 Vouz entendez 「あなたは聞く」を、逆さにしてハイフンでつなぐと疑問形になる
*5 開けた場所なら割となんでも指しうる
*6 直訳では「腕の中」。懐まで入り込まれることを指す
*7 filsのあとに et「~と」を挟むほうが自然に思われるのか、早口でetを入れるケースもある
*8 これ一単語で表現するのすごいと思います。英語のgorgeとも関係する言葉です
*9 文字通りには「仲間」だが、ここでは伴侶を指す
*10 文字通りには「大隊」を指すが、ここでは具体的に何人ぐらいの集団…とかではなく単に「集まって隊列を組め」くらいの意味
*11 marchez(マルシェ)という、シンプルな命令形を使うケースもある。
*12 意訳…
*13 接続法と共に用いて願望・希望を示す
*14 pur「純粋な」を否定したもの
*15 畑の、直線上に槌を盛り上げた部分。なんで畝なのかといえば、上述のbataillonと押韻するためである
*16 条件法。非現実について語る場合に使われるので、ここでは「そんなことになるとでもいうのか」「そんなことをしようというのか」という感じ。
*17 projectですね
*18 -cideが「~殺しの」、殺虫剤やジェノサイドといった言葉につながります。par- は「同じ」、ゴルフの「パー」なんかとも関連してくる言葉です
*19 行く aller + 不定詞で「~だろう」
*20 grand prix などに見えるprix、英語の prize にあたる。ここでは同族殺しをしようとした者が「計画の報いを受ける」。
*21 みんなお前の敵だ、味方はいないぞ、ということ
*22 -entは発音しない
*23 magnus「大きい」、animus「魂、精神」
*24 s'は再帰代名詞の se がエリジオンを起こしたもの。文字通りには「自らを武装させる」
*25 祖国フランスを裏切ることを指す
*26 通常リエゾンしないが、歌唱時リエゾンしがち
*27 接続法の動詞とともに用いるとこういう意味になりうる
*28 ここが接続法
*29 「兄貴分」ぐらいの意味で、血縁上の兄に限らない。aînéは「先に生まれた(ne)者)」が文字通りの意味で「年長者」「兄」「先人」などの意味がある。女性の年長者ならaînéeと女性形を取るが、当時の兵士はほぼ男性なので…。この先に続くのは「年長の兵士が倒れたら我らが続く!」という内容なので、「先輩」「先人」あたりの訳もあり得る。
*30 moinsと呼応し「~するよりは、むしろ~したい」