ヨーロッパ州/ラトヴィア国歌「神よ、ラトヴィアを祝福せよ」 のバックアップ(No.2)
- バックアップ一覧
- 差分 を表示
- 現在との差分 を表示
- 現在との差分 - Visual を表示
- ソース を表示
- ヨーロッパ州/ラトヴィア国歌「神よ、ラトヴィアを祝福せよ」 へ行く。
- 1 (2021-02-14 (日) 14:30:53)
- 2 (2021-06-29 (火) 23:49:27)
ラトヴィア国歌
Dievs, svētī Latviju
神よ、ラトビアを祝福し給え
歌詞全文
Dievs, svētī Latviju, Mūs' dārgo tēviju, Svētī jel Latviju, Ak, svētī jel to! | 神よ、ラトヴィアを祝福し給え 我々の愛しき祖国を ラトヴィアを祝福し給え 嗚呼、祝福し給え |
Kur latvju meitas zied, Kur latvju dēli dzied, Laid mums tur laimē diet, Mūs' Latvijā! | ラトヴィアの娘らが花咲く処で ラトヴィアの息子らが歌う処で 幸福な処で我らは踊ろう 我々のラトヴィアで |
歌詞逐語訳
Dievs, | svētī | Latviju, |
ディエウス | スヴェーティー | ラトヴィユ |
神(は) | 祝福せよ | ラトヴィアを |
神よ*1、ラトヴィアを祝福し給え |
Svētī | jel | Latviju, |
スヴェーティー | イェル | ラトヴィユ |
祝福せよ | (強意)*4 | ラトヴィアを |
ラトヴィアを祝福し給え |
Ak, | svētī | jel | to! |
アク | スヴェーティー | イェル | トゥオ |
嗚呼 | 祝福せよ | (強意) | それを |
嗚呼、祝福し給え |
Kur | latvju | dēli | dzied, |
クル | ラトヴュ | デーリ | ヅィエド |
どこ | ラトヴィア(の民)の | 息子らが | 歌う |
ラトヴィアの息子らが歌う処で |
Laid | mums | tur | laimē | diet, |
ライド | ムムス | トゥル | ライメー | ディエト |
させよ | 我々に | そこで | 幸せ(なところで) | 踊ることを |
幸福な処で我らは踊ろう*7 |
Mūs' | Latvijā! |
ムース | ラトヴィヤー |
我々の | ラトヴィアで |
我々のラトヴィアで |
特記事項
- 四行でひとまとまりであり、前半も後半もそれぞれ二回ずつ繰り返す。
- 作詞・作曲はカールリス・バウマニス(1835-1905)。ヴィゼメ地方(ラトビア北部)リムバジ市出身の作曲家・教師・ジャーナリストであった。リーガラトビア協会の議長と歌唱委員会の委員に選ばれ、第一回民族歌謡祭の準備に大きく参画した。
- 国民性の根幹を成す合唱文化と総勢26万首の圧倒的な民謡文化の厚みが、また、様々な国や民族による被支配の長い歴史が、穏やかに、真っ直ぐに平和を歌うこの曲に深みを与える。
言語的解説
- 印欧語族のバルト語派に属し、リトアニア語と並んでヨーロッパで最も古風な言語である。
- リトアニア語と比べると、エストニア語やリヴォニア語などのバルト・フィン諸語の影響を受けており、たとえば「伝聞法」(「~らしい」等を表す)という文法事項が新しく生えていたりする。
- ダイナ(Daina 「ラトビア民謡」とも)と呼ばれる固有の韻律で書かれた四行詩が(異同等を全て含め)約26万首存在し、これが日本でいう万葉集の役割を果たしている。
- 長音記号(マクロン)がこの言語の特色であり、アイデンティティの一部にもなっているようで、歌にも歌われるほどである。本稿もカナ転写では曲の拍に関係なく長母音と短母音を区別した。
- eの発音に二種類(広:/ɛ/, 狭:/e/)あるのがもう一つの音韻上の大きな特徴で、日本語話者の感覚だと広い方のeは「ア」に聞こえることがある。
- 「ラトビア」、「ラトヴィア」などと表記されるが、原語に一番近いのは「ラトヴィヤ」である。
謝辞
本稿は髙浦啓樹さん(@H_Tacaurus>)にお寄せいただきました。Paldies!(ありがとうございます!)
高浦さんにはリトアニアも書いて頂いてます。重ねてありがとうございます!