ヨーロッパ州/リトアニア国歌「リトアニア、我らの愛しき祖国」 のバックアップ(No.1)


リトアニア国歌

Lietuva, Tėvyne mūsų

リトアニア、我らの愛しき祖国

別名:Tautiška giesmė(国歌)}
男性三人による独唱からの三部合唱

歌詞全文

Lietuva, Tėvyne mūsų,
Tu didvyrių žeme,
Iš praeities Tavo sūnūs
Te stiprybę semia.
我らが祖国、、リトアニアよ
汝、英雄達の大地よ
過去より汝の子等よ、
その力を引き出せ
Tegul Tavo vaikai eina
Vien takais dorybės,
Tegul dirba Tavo naudai
Ir žmonių gėrybei.
行かせよ、汝の子等に
徳の道のみを
働かしめよ、汝の益の為に
そして人々の幸福の為に
Tegul saulė Lietuvoj
Tamsumas prašalina,
Ir šviesa, ir tiesa
Mūs žingsnius telydi.
陽よ、リトアニアにて
闇を払い除けたまえ
光と真実とが
我等の歩みを導きたまえ
Tegul meilė Lietuvos
Dega mūsų širdyse,
Vardan tos, Lietuvos
Vienybė težydi!
リトアニアの愛が
我等の心に燃えんことを
そのリトアニアの名において
統一が花開かれんことを

歌詞逐語訳

1.

Lietuva,Tėvynemūsų,
リエトゥヴァテーヴィーネムースー
リトアニアよ祖国よ我等の
我等が祖国、リトアニアよ*1
Tudidvyriųžeme,
トゥディドヴィーリュージェメ
(汝よ)英雄たちの大地よ
英雄達の大地(たる汝)よ
praeitiesTavosūnūs
イシュプラエイティエスタヴォースーヌース
~から去りし時汝の息子達よ
去りし時より汝の子等に
Testiprybęsemia.
スティプリーベァーセミャ
(そこで)力を引き出せ
(そこで)力を引き出さしめよ*2

2.

TegulTavovaikaieina
テグルタヴォーヴァイカイエイナ
~させろ*3汝の子等は行く
行かせよ、汝の子等に
Vientakaisdorybės,
ヴィエンタカイスドーリーベース
(~だけ)道を以て*4徳の
徳の道のみを
TeguldirbaTavonaudai
テグルディルバータヴォーナウダイ
~させろ働く汝の益へ
働かしめよ、汝の益の為に
Iržmoniųgėrybei.
イルジュモーニューゲーリーベイ
~と人々の幸福へ
そして人々の幸福の為に

3.

TegulsaulėLietuvoj *5)
テグルサウレーリエトゥヴォーィ
~させろ太陽はリトアニアに
陽よ、リトアニアにて
Tamsumasprašalina,
タムスマスプラシャーリナ
闇を払い退ける
闇を払い除けたまえ
Iršviesa,irtiesa
イルシュヴィエサイルティエサ
~と~と真実
光と真実とが
Mūsžingsniustelydi.
ムースジンクスニウス*6テリーディ
我等の歩みを導け
我等の歩みを導きたまえ

4.

TegulmeilėLietuvos
テグルメイレーリエトゥヴォース
~させろ愛はリトアニアの
リトアニアの愛が
Degamūsųširdyse,
デーガムースーシルディーセ
燃える我々の心に
我等の心に燃えんことを
Vardantos,Lietuvos
ヴァルダントースリエトゥヴォース
名においてそのリトアニアの
そのリトアニアの名において
Vienybėtežydi!
ヴィエニーベーテジーディ
統一は花開く
統一が花開かれんことを

特記事項

リトアニアがロシア帝国領であった1898年、ヴィンツァス・クディルカによって作詞・作曲された。翌1899年、サンクトペテルブルクで演奏され、1905年にヴィリニュスで演奏された。リトアニアが独立を宣言した翌年の1919年、リトアニアの国歌に採用されたが、リトアニアがソ連に編入されると公の場での演奏が禁止された。リトアニアが独立を回復すると、再び国歌に制定された。

言語的解説

  • 印欧語族バルト語派に属する、現代語では最も古風な言語で、言語オタクなら一度は憧れる生きた化石である。
    この言語はアクセントは強弱と高低(+昇降)の両方が絡んでおり、更にこれが一部の母音の長短にも影響しているので、今回の仮名表記もなるべくそれを反映するように努めた。

謝辞
本稿は髙浦啓樹さん(@H_Tacaurus>)にお寄せいただきました。Ačiū!(ありがとうございます!)
なお高浦さんにはラトヴィア>もご寄稿頂いてます。





*1 『パン・タデウシュ』の冒頭「我が祖国リトアニアよ」を捩ったものか
*2 前の行と合わせて、直訳は「過去より汝の子等よ、(己の)力を引き出せ」
*3 直訳は「汝の子等は行きたまへ」。 "tegu(l)+3人称+動詞の現在形" で「~させよ」となる
*4 具格「~を用いて、~によって」
*5 本来は Lietuvoje (Lietuvaの単数処格「リトアニアにて」
*6 -gs-は無声子音のsにつられてgが無声化してkの発音になる