ヨーロッパ州/ベルギー国歌「ブラバンソンヌ」トリリンガル版 のバックアップ(No.1)


De Brabançonne / La Brabançonne / Die Brabançonne

ラ・ブラバンソンヌ

別名:ブラバントの歌

歌詞全文

Francais:
Noble Belgique, ô mere cherie,
À toi nos cœurs, à toi nos bras,
À toi notre sang, ô Patrie !
Nous le jurons tous, tu vivras !
Tu vivras toujours grande et belle
Et ton invincible unite
Aura pour devise immortelle :
Le Roi, la Loi, la Liberte !
Aura pour devise immortelle :
Le Roi, la Loi, la Liberté!
Aura pour devise immortelle :
Le Roi, la Loi, la Liberté!
Le Roi, la Loi, la Liberté !
Le Roi, la Loi, la Liberté!
フランス語:
気高きベルギー、嗚呼、愛しき母よ
我等が心は汝のために、我等が腕は汝のために。
我等が血は汝のために、嗚呼祖国よ
我等はみな断言する、汝は生きよ!
いつまでも偉大に、美しく生きるのだ
打ち破り得ぬ団結は
この言葉を合言葉とする――
王、法、自由!
打ち破り得ぬ団結は
この言葉を合言葉とする――
王、法、自由!
王、法、自由!
王、法、自由!
Deutsch:
O liebes Land, o Belgiens Erde,
Dir unser Herz, Dir unsere Hand,
Dir unser Blut, o Heimaterde,
wir schwören's Dir, o Vaterland!
So blühe froh in voller Schöne,
zu der die Freiheit Dich erzog,
und fortan singen Deine Sohne:
Gesetz und König und die Freiheit hoch!
und fortan singen Deine Sohne:
Gesetz und König und die Freiheit hoch!
Gesetz und König und die Freiheit hoch!
Gesetz und König und die Freiheit hoch!
ドイツ語:
嗚呼愛する地、嗚呼ベルギーの地よ
汝に我らの心を、我らの手を捧げん
汝に我らの血を捧げん、父祖の地よ
我ら汝に誓う、嗚呼、祖国よ
全き美のうちに花開け
自由が汝に教えたことのために
やがて汝の子らは歌うだろう
法、王、そして自由万歳!
やがて汝の子らは歌うだろう
法、王、そして自由万歳!
法、王、そして自由万歳!
法、王、そして自由万歳!
Nederlands:
O dierbaar België, O heilig land der Vaad'ren,
Onze ziel en ons hart zijn u gewijd.
Aanvaard ons kracht en het bloed van onze ad'ren,
Wees ons doel in arbeid en in strijd.
Bloei, o land, in eendracht niet te breken;
Wees immer uzelf en ongeknecht,
Het woord getrouw, dat g' onbevreesd moogt spreken,
Voor Vorst, voor Vrijheid en voor Recht!
Het woord getrouw, dat g' onbevreesd moogt spreken,
Voor Vorst, voor Vrijheid en voor Recht!
Voor Vorst, voor Vrijheid en voor Recht!
Voor Vorst, voor Vrijheid en voor Recht!
オランダ語:
嗚呼愛しきベルギーよ、嗚呼、父祖の聖なる地
我等の魂と心は汝に捧げられた
我等の力と血を、我らの血管から受けとれ
我ら刻苦しまた闘わん、その先に汝あれ
栄えよ、嗚呼、大地よ、不屈なる団結をもって
常に汝自身を保ち、何者にも隷属するなかれ
この誠実なる言葉を、汝は威風堂々と口にする
王の為、自由の為、法の為!
この誠実なる言葉を、汝は威風堂々と口にする、
王の為、自由の為、法の為!
王の為、自由の為、法の為!
王の為、自由の為、法の為!

歌詞逐語訳

フランス語

NobleBelgique,ômèrechérie,
ノブルベルジークメルシェリア*1
気高きベルギー嗚呼愛しい
気高きベルギーよ、嗚呼、愛しい母よ
Àtoinoscœurs,àtoinosbras,
トワコートワブラ
~に貴方我らの~に貴方我らの
汝に捧げん、我らの心を、我らの腕を
Àtoinotresang,ôPatrie
トワノトルサンパトリーア
~に貴方我らの嗚呼祖国
我等の血を汝に捧げん、嗚呼祖国よ
Nouslejuronstous,tuvivras !
ジュロントゥテュヴィヴラ
我らそれを我らは断言する皆が貴方は生きろ
我らはみな口を揃える、汝は生きるのだ!
Tuvivrastoujoursgrandeetbelle
テュヴィヴラトゥジュグロンダベラ
貴方は生きろいつも偉大にそして美しく
いつまでも偉大に、そして美しく生きるのだ
Ettoninvincibleunité
トンアンヴァンスィブルユニテ
そして貴方の打ち勝てない団結
そして汝の不滅の団結は
Aurapourdeviseimmortelle
オーラプールデヴィゼインモルテール
それは持つだろう~として合言葉不滅の
この言葉を合言葉とする――
LeRoi,laLoi,laLiberté!
ロワロワリベルテ
定冠詞定冠詞定冠詞自由
王、法、自由!

ドイツ語

OliebesLand,oBelgiensErde,
オーリーベスラントオーベルギエンスエァデ
嗚呼愛しい嗚呼ベルギーの大地
嗚呼、愛しき地、嗚呼ベルギーの大地よ
DirunserHerz,DirunsereHand,
ディアウンゼァヘルツディアウンゼァ*2ハント
貴方に我らの貴方に我らの
汝に我らの心を、我らの手を捧げん
DirunserBlut,oHeimaterde,
ディアウンゼァブルートオーハイマットエァデ
貴方に我らの嗚呼故郷の大地
汝に我らの血をも捧げん、故郷の地よ
wirschwören'sDir,oVaterland!
ヴィアシュヴェーレンスディルオーファータラント
我らは誓う貴方に嗚呼祖国
我ら汝に誓わん、嗚呼、祖国よ
SoblühefrohinvollerSchöne,
ゾーブリューエフローインフォラーシェーネ
そして咲け喜ばしく~の中で完全な美しさ
そして嬉々として栄えよ、全き美しさのうちに
zuderdieFreiheitDicherzog,
ツーデァディーフライハイトディッヒエァツォーク
~のためにもの定冠詞自由貴方を教えた
自由が汝に教えたものの為に。
undfortansingenDeineSöhne:
ウントフォルタンズィンゲンダイネゼーネ
そして今後歌う貴方の息子たち
やがて汝の子らは歌うだろう
GesetzundKönigunddieFreiheithoch!
ゲゼッツウントケーニヒウントディーフライハイトホー(ホ)*3
定冠詞自由高く
法、王、そして自由万歳!

オランダ語

OdierbaarBelgië,OheiliglandderVad'ren,
オーディルバールベルヒァオーヘイラハラントデルファドレン
嗚呼愛しいベルギー嗚呼聖なる土地定冠詞(複数所有格)父たちの
嗚呼、愛しきベルギー、父祖たちの聖なる大地よ
Onzezielenonshartzijnugewijd.
オンゼズィルエンオンスハルトゼインユーヘウェイト
我らの*4)我らの~である貴方に捧げられた
我らの魂と心は、汝へと捧げられた
Aanvaardonskrachtenbloedvanonsad'ren,
アーンヴァールトオンスクラハトエンブルートヴァンオンスアドレン
受け取れ我らの~から我らの血管
我等の力と血を、我らの血管から受けとれ
Weesonsdoelinarbeideninstrijd.
ウェースオンスドゥルインアルベイトエンインストレイト
~であれ我らの目標~の中で労働~の中で闘い
我ら刻苦しまた闘わん、その先に汝あれ
Bloei,oland,ineendrachtniettebreken;
ブルイォーラントインエーンドラハトニトブレーケ(ン)*5
栄えよ嗚呼土地~の中で団結~できない~することが*6破壊する
栄えよ、祖国よ、不屈なる団結のうちに
Weesimmeruzelfenongeknecht,
ウェースインメルユーゼルフエンオンゲクネヒト
~であれ常に貴方自身そして不服従の
常に汝自身たれ、何者にも頭を垂れず
Hetwoordgetrouw,datg'onbevreesdmoogtspreken,
ヘトウォールトヘトロウダトホンベフレーストモークトスプレーケ(ン)
定冠詞言葉誠実な関係代名詞恐れを知らず、大胆に~できる話す
汝が威風堂々と口に上らせる、誠意の言葉――
VoorVorst,voorVrijheidenvoorRecht!
フォールフォルストフォールフレイヘイトエンフォールレヒト
~のために~のために自由そして~のために
王、自由、そして法のために!

特記事項

  • フランス語版はアレクサンドル・デシェ(Alexandre Dechet)、筆名ジュネヴァル(Jenneval)による。制定当時のベルギー首相シャルル・ロジエが歌詞を一部変更。*7
  • オランダ語版はレオ・ヘーマンス(Leo Goemans)の作らしいが、詳細は調査中。ドイツ語版は作詞者が調べきれない…。
  • 作曲者はフランソワ・ヴァン・カンペノー(François van Campenhout)。ブリュッセル出身の作曲家・歌手。
  • オランダ・フランス・ドイツの3言語版があり、いずれも公式版とはされていない。
  • ナショナルデーなどには、2行ごとに言語を変えて歌う非公式の「トリリンガル版」が歌われるという(歌詞は後述)。
  • サッカーチームなどはそれぞれ自分の言語で歌うとか、歌うふりだけするとか様々言われている。
  • まず複数言語で歌われてる国歌って凄くエモくないですか?
  • 元々はフランス語で書かれた詞。ベルギーの国家機関もかつてはフランス語のみを使用していた。
  • 推計値ではあるがオランダ語話者が約6割、フランス語話者が約4割。ドイツ語話者は人口の1%未満(1100万の国民のうち7万人強)。
  • ただ、国家としての一体感が微妙に薄いベルギー国民のうち、ドイツ語圏のベルギー人は"唯一の、真のベルギー人"と呼ばれることもあるらしい。
  • 一方オランダ語話者(フラマン人)とフランス語話者(ワロン人)は、この歌以外に「フランドルの獅子」「ワロン人の歌」とそれぞれ地域歌を持っていたりする。
  • 歌詞は至ってスタンダードな愛国の歌なのだが*8、各言語の歌詞で言ってることがわずかずつ違っていて面白い。
  • 上に挙げた動画はベルギーの人気歌手ヘルムート・ロッティ(Helmut Lotti)によるもの。半音ずつ上げながらフランス語・ドイツ語・オランダ語と歌う。*9
  • なお彼の母語はオランダ語だが語学堪能で、様々な言語で楽曲をリリースしている。多言語国家ベルギーらしい存在である。

おまけ

非公式なトリリンガル(3言語)バージョン。最初は2行ごとに言語を変え、その後は1行ごとに代わる代わる歌う。

(NE) O dierbaar België, O heilig land der Vaad'ren,
Onze ziel en ons hart zijn u gewijd.
(蘭) 嗚呼愛しきベルギーよ、嗚呼、父祖の聖なる地
我等の魂と心は汝に捧げられた
(FR) À toi notre sang, ô Patrie!
Nous le jurons tous, tu vivras!
(仏) 我等が血は汝のために、嗚呼祖国よ
我等はみな断言する、汝は生きよ!
(GE) So blühe froh in voller Schöne,
zu der die Freiheit Dich erzog,
(独) 全き美のうちに花開け
自由が汝に教えたことのために
(GE) und fortan singen Deine Söhne:(独) やがて汝の子らは歌うだろう――
(FR) Le Roi, la Loi, la Liberté!(仏) 王、法、自由!
(NE) Het woord getrouw, dat g' onbevreesd moogt spreken,(蘭) この誠実なる言葉を、汝は威風堂々と口にする――
(NE) Voor Vorst, voor Vrijheid en voor Recht!(蘭) 王の為、自由の為、法の為!
:(GE) Gesetz und König und die Freiheit hoch!(独) 法、王、そして自由万歳!
(FR) Le Roi, la Loi, la Liberté !(仏) 王、法、自由!




*1 発音しないとされる語末の e も、歌うときはいわゆる曖昧母音で発音します
*2 なぜかunser相当で発音されがち
*3 実際の歌唱では最後の-chが軽く流されることがあったり。
*4 ドイツ語のSeeleと同梱。ゼーレですよゼーレ(なにか嬉しそう
*5 あんまり明確に口閉じてない。口語では発音されないnだし。
*6 独語のzu、英語のtoにあたる
*7 独立革命の当時のご時世もあり、「憎きオランダからの独立!」みたいなことを言っていた関係で。
*8 上述の歌詞改変前はもっと色々言ってた
*9 そのため歌詞の順番も閲覧しやすいようその順である。政治的意図はない。