ヨーロッパ州/スロヴァキア国歌「稲妻がタトラの上を走り去り」 のバックアップ(No.1)
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Nad Tatrou sa blýska
稲妻がタトラの上を走り
別名:Dobrovoľnícka(義勇軍の歌)*1
男声合唱によるもの。素朴な感じがとても素敵だと思う。
ロックアレンジ。なんと4番までフルという貴重な動画。演奏も格好良い。
歌詞全文
| Nad Tatrou sa blýska Hromy divo bijú Zastavme ich, bratia Veď sa ony stratia Slováci ožijú To Slovensko naše Posiaľ tvrdo spalo Ale blesky hromu Vzbudzujú ho k tomu Aby sa prebralo | タトラ山脈の上を光が走り 稲妻が激しく鳴り響く 兄弟よ、それを止めようではないか すると稲妻は消え失せ スロヴァキア人は目覚めるのだ 我らのスロヴァキアは 今まで深く眠っていた しかし雷光が激しく鳴ると スロヴァキアは目覚め ついには起き上がったのだ |
歌詞逐語訳
1.
| Nad | Tatrou | sa blýska |
| ナッ | タトロウ | サ ブリースカ |
| ~の上を | タトラ山脈 | 光る |
| タトラの山*2の上を光が走り | ||
| Hromy | divo | bijú, |
| フロミ | ヂヴォ | ビユー |
| 稲妻が | 荒々しく | 打ち付ける |
| 稲妻が激しく鳴り響く | ||
| Zastavme | ich | bratia, |
| ザスタヴメ | イフ | ブラチャ |
| 止めよう | それを | 兄弟 |
| 兄弟よ、それを止めようではないか | ||
| Veď | sa | ony | stratia |
| ヴェチ | サ | オニ | ストラチャ |
| すると | 再帰代名詞 | 彼らは | 失うだろう |
| すると稲妻は消え失せ | |||
| Slováci | ožijú. |
| スロヴァチ | オジユー |
| スロヴァキア人たち | 目覚める |
| スロヴァキア人は目覚めるのだ*3 | |
2.
| To | Slovensko | naše |
| ト | スロヴェンスコ | ナシェ |
| この | スロヴァキア | 我らの |
| 我らのスロヴァキアは | ||
| Posiaľ | tvrdo | spalo |
| ポシャリ | トゥヴルド | スパロ |
| かつて | 深く | 眠っていた |
| かつて深く眠っていたのだが | ||
| Ale | blesky | hromu |
| アレ | ブレスキ | フロム |
| しかし | 光が | 雷の |
| しかし、雷光が | ||
| Vzbudzujú | ho | k tomu |
| ヴズブズユー | ホ | クトム |
| 目を覚まさせる | 彼を | それに対し |
| スロヴァキアを揺るがし |
| Aby | sa prebralo. |
| アビ | サ プレブラロ |
| ~するほどに | 起こす |
| ついには起こしてしまったのだ |
特記事項
作詞者はヤンコ・マトゥーシカ(Janko Matúška)。23歳の時に作詞。
当時スロヴァキアはオーストリア・ハンガリー帝国の一部であったため、民族主義者であった彼の師が教職から追放された。マトゥーシカを含む学生たちが抗議の行進を行う中でこの歌が生まれたとされる。この行進はプレスブルク(現ブラチスラバ)からレボチャの町まで、この地方の最高峰を含む2500m級の山々*4が続く、雄大なタトラ山脈を望む旅路であった。
曲はスロヴァキア民謡「彼女は小さな井戸を掘った(Kopala studienku)」のもの。作曲者未詳。
- 1918年に公式に国歌として採用。その後、チェコスロバキアの誕生により「チェコ国歌+スロヴァキア国歌」と2つ繋げた歌が国歌となる。
スロヴァキア独立後、今度は単独で改めて国歌として制定される。
ちなみに「第二の国歌」として愛された「スロヴァキア人よ」もあり、こちらはポーランド国歌>のテンポを変更してスロヴァキア語の歌詞をつけたもの。後に「スラヴ人よ」として汎スラヴ主義の賛歌となり、ユーゴスラヴィアの国歌にもなった。*5
- 2番まであり、コーラス部分などはない。各番の後半3行は繰り返す。
- 一応原詩は4番まであった。個人的には4番の詩がとてもかっこいい。
- 曲が格好良い。 特にチェコスロヴァキア時代の「緩やかで叙情的なチェコ国歌からの…タトラ山脈!稲妻ッ!」という緩急には痺れて憧れること請け合い。
- チェコ語とスロヴァキア語はわりと似ているけど、この歌詞を見てると「ああっ結構違うのね!」という気持ちにさせてくれる。
- 4番の歌詞は「モミの木*6がクリヴァン山*7の斜面に育ちゆく。我こそはスロヴァキア人と覚える者あれば、彼の手にサーベルを握らせ、我らと共に立たせん」!素敵!
- 至って分かりやすい表記法*8。j はヤ行、š はシャ行。i/y は同じくイの音。
- di, ti などは「ヂ、チ」に近い。divoは「ヂヴォ」。*9
- ved' とか posial' のアポストロフィは、専門的に言えば口蓋化音。わかりやすく言うと拗音の寸止め。*10
posial'を例に取ると「ポシャリ posiali」と言いかけて最後の -i だけ発音しない。伝われ。 - ちなみにこの口蓋化音、チェコ語にも t' とか d' とかはあるけど、l' だけはチェコ語に存在しない。Lの後ろにアポストロフィがついてたらスロヴァキア語とすぐわかる。
- 母音の上のアクセントは長母音を表すが、歌うぶんにはさほど関係ない。