オセアニア州/ニュージーランド国歌「神よニュージーランドを守り給え」 のバックアップ(No.1)


Aotearoa / God Defend New Zealand

アオテアロア(雲のたなびく地) / 神よニュージーランドを守り給え

歌詞全文

(Māori)
E Ihowā Atua,
O ngā iwi mātou rā
Āta whakarangona;
Me aroha noa
Kia hua ko te pai;
Kia tau tō atawhai;
Manaakitia mai
Aotearoa
(マオリ語)
我らすべての人の
主なる神よ
我らの声を聞き
そして愛し給え
善が栄え
汝の慈愛が満ちんことを
守り給え
アオテアロアを
(English)
God of Nations at Thy feet,
In the bonds of love we meet,
Hear our voices, we entreat,
God defend our free land.
Guard Pacific's triple star
From the shafts of strife and war,
Make her praises heard afar,
God defend New Zealand.
(英語)
神のもとに生まれし国
我らを結びし愛の絆
我らの声が届くようにと願う
神よ我らの自由な国を守り給え
太平洋に輝く三つの星
敵から守り給え
響き渡る主への賛美
神よニュージーランドを守り給え

歌詞逐語訳

1番:マオリ語

EIhowāAtua,
イホワーアトゥア
~よ*1
主なる神よ


Ongāiwimātou
ンガーイウィマートウラー
~の(譲渡不可能所有)*2複数定冠詞人々*3我ら(除外形)*4そこに
ここにいる、我らすべての人間の


ātawhakarongona;
アータファカロンゴナ
注意深く*5聞け
耳を傾けよ


Mearohanoa
アロハノア
そして愛せただ*6
そしてただ愛し給え


Kiahuakotepai;
キアフアパイ
~しますように花咲く(平叙文を示す)(冠詞)
善が栄えんことを


Kiatauatawhai;
キアタウトーアタファイ
~しますように据わる貴方の優しさ
汝の祝福があらんことを


Manaakitiamai
マナアキティアマイ
守る~を
守り給え、


Aotearoa
アオテアロア
アオテアロアを
アオテアロア(白く長い雲)を



2番:英語

GodofNationsatthyfeet,
ゴッドオブネーションズアットサイフィート
~に
神の下に生まれし我ら


Inthebondsof lovewemeet,
インボンズオブラブウィーミート
(定冠詞)結ぶ*7~の私達会う
我らを結びし愛の絆


Hearourvoicesweentreat,
ヒアアワーヴォイセズウィーエントリート
聞け我らの我らは願う
>>>>聞け、我らの声


Goddefendourfreeland.
ゴッドディフェンドアワーフリーランド
神よ守る我らの自由な
>>>>我らの自由な島を守り給え


GuardPacific'striplestar,
ガードパシフィックストリプルスター
護衛太平洋の三つ
>>>太平洋に浮かぶ三つの星


Fromtheshaftsofstrifeandwar,
フロムシャフツオブストライフアンドウォー
~から(定冠詞)魔の手*8~の争い~と戦争
>>>>>>敵の魔の手から三つの星を守れ


Makeherpraisesheardafar,
メイクハープレイゼズハードアファー
作る彼女の称賛する聞く遠くに
>>>>彼女の称賛が遠くに響く


GoddefendNew Zealand
ゴッドディフェンドニュージーランド
神よ守るニュージーランド
>>神よニュージーランドを守り給え

特記事項

  • 1番は先住民の言語・マオリ語(Māori)で、2番は英語で歌われる。
  • 冒頭から始まる南洋っぽい響きのマオリ語の異界感、そこから理解可能な英語に入ったときの伏線回収っぽさ。
  • たぶんこの感覚はマオリ語を今後習得するにつれて薄れてまた別種の感慨に変わっていくんだろうけどそれも良い。
  • マオリ語タイトルの「アオテアロア(Aotearoa)」はニュージーランドのマオリ語での名前。
  • ao 「雲」、tea「白」、roa「長い」で、「白く長い雲(の場所)」。一般には「雲のたなびく地」とか訳される。
  • 韻を踏んでいる。




*1 Jehovaを借用したもの。
*2 英語のofに相当するが、「自らの意思で入手したり、手放したりできない」タイプの所有にのみ使う。手放せる場合はaを使う。人々にとって神はかんたんに手放せませんね。ポリネシアの言語によくある文法事項です。
*3 原義は「骨」。氏族、民族、国民などの人の集合体を示す。
*4 「あなた以外の我々」を指す。「あなたも含む我々(tātou)」は「包括形」という。この辺りの言語にはよくある。ここでは人ならざる神に対し「我ら人間の…」と語りかけているので相手(神)は含まない
*5 「ゆっくり」「気をつけながら」「慎重に」「徹底的に」などと訳され、その動作が意識的に、丁寧に行われること全般を意味する。ここでは「よく聞く」くらい。
*6 非常に広範な意味を持つ。概ね「無条件」「限界がない」などの意味合いを持つため、ここでは「ただ愛し給え」とした
*7 本来は「拘束」などの意味があるがここでは和訳上「結ぶ」とした
*8 本来は「矢」などのような意味だが和訳上「魔の手」とした