ヨーロッパ州/リトアニア国歌「リトアニア、我らの愛しき祖国」
Mon, 24 Oct 2022 22:52:22 JST (795d)
Lietuva, Tėvyne mūsų
リトアニア、我らの愛しき祖国
別名:Tautiška giesmė(国歌)
男性三人による独唱からの三部合唱
歌詞全文
Lietuva, Tėvyne mūsų, Tu didvyrių žeme, Iš praeities Tavo sūnūs Te stiprybę semia. | 我らが祖国、リトアニアよ 汝、英雄達の大地よ 過去より汝の子等よ、 その力を引き出せ |
Tegul Tavo vaikai eina Vien takais dorybės, Tegul dirba Tavo naudai Ir žmonių gėrybei. | 行かせよ、汝の子等に 徳の道のみを 働かしめよ、汝の益の為に そして人々の幸福の為に |
Tegul saulė Lietuvoj Tamsumas prašalina, Ir šviesa, ir tiesa Mūs žingsnius telydi. | 陽よ、リトアニアにて 闇を払い除けたまえ 光と真実とが 我等の歩みを導きたまえ |
Tegul meilė Lietuvos Dega mūsų širdyse, Vardan tos, Lietuvos Vienybė težydi! | リトアニアの愛が 我等の心に燃えんことを そのリトアニアの名において 統一が花開かれんことを |
歌詞逐語訳
1.
Lietuva, | Tėvyne | mūsų, |
リエトゥヴァ | テーヴィーネ | ムースー |
リトアニアよ | 祖国よ | 我等の |
我等が祖国、リトアニアよ*1 |
Tu | didvyrių | žeme, |
トゥ | ディドヴィーリュー | ジェメ |
(汝よ) | 英雄たちの | 大地よ |
英雄達の大地(たる汝)よ |
Iš | praeities | Tavo | sūnūs |
イシュ | プラエイティエス | タヴォー | スーヌース |
~から | 去りし時 | 汝の | 息子達よ |
去りし時より汝の子等に |
Te | stiprybę | semia. |
テ | スティプリーベァー | セミャ |
(そこで) | 力を | 引き出せ |
(そこで)力を引き出さしめよ*2 |
2.
Tegul | Tavo | vaikai | eina |
テグル | タヴォー | ヴァイカイ | エイナ |
~させろ*3 | 汝の | 子等は | 行く |
行かせよ、汝の子等に |
Vien | takais | dorybės, |
ヴィエン | タカイス | ドーリーベース |
(~だけ) | 道を以て*4 | 徳の |
徳の道のみを |
Tegul | dirba | Tavo | naudai |
テグル | ディルバー | タヴォー | ナウダイ |
~させろ | 働く | 汝の | 益へ |
働かしめよ、汝の益の為に |
Ir | žmonių | gėrybei. |
イル | ジュモーニュー | ゲーリーベイ |
~と | 人々の | 幸福へ |
そして人々の幸福の為に |
3.
Tegul | saulė | Lietuvoj*5) |
テグル | サウレー | リエトゥヴォーィ |
~させろ | 太陽は | リトアニアに |
陽よ、リトアニアにて |
Tamsumas | prašalina, |
タムスマス | プラシャーリナ |
闇を | 払い退ける |
闇を払い除けたまえ |
Ir | šviesa, | ir | tiesa |
イル | シュヴィエサ | イル | ティエサ |
~と | 光 | ~と | 真実 |
光と真実とが |
Mūs | žingsnius | telydi. |
ムース | ジンクスニウス*6 | テリーディ |
我等の | 歩みを | 導け |
我等の歩みを導きたまえ |
4.
Tegul | meilė | Lietuvos |
テグル | メイレー | リエトゥヴォース |
~させろ | 愛は | リトアニアの |
リトアニアの愛が |
Dega | mūsų | širdyse, |
デーガ | ムースー | シルディーセ |
燃える | 我々の | 心に |
我等の心に燃えんことを |
Vardan | tos, | Lietuvos |
ヴァルダン | トース | リエトゥヴォース |
名において | その | リトアニアの |
そのリトアニアの名において |
Vienybė | težydi! |
ヴィエニーベー | テジーディ |
統一は | 花開く |
統一が花開かれんことを |
特記事項
リトアニアがロシア帝国領であった1898年、ヴィンツァス・クディルカによって作詞・作曲された。翌1899年、サンクトペテルブルクで演奏され、1905年にヴィリニュスで演奏された。リトアニアが独立を宣言した翌年の1919年、リトアニアの国歌に採用されたが、リトアニアがソ連に編入されると公の場での演奏が禁止された。リトアニアが独立を回復すると、再び国歌に制定された。
言語的解説
- 印欧語族バルト語派に属する、現代語では最も古風な言語で、言語オタクなら一度は憧れる生きた化石である。
この言語はアクセントは強弱と高低(+昇降)の両方が絡んでおり、更にこれが一部の母音の長短にも影響しているので、今回の仮名表記もなるべくそれを反映するように努めた。
謝辞
本稿は髙浦啓樹さん(@H_Tacaurus>)にお寄せいただきました。Ačiū!(ありがとうございます!)
なお高浦さんにはラトヴィアもご寄稿頂いてます。